転職の成功体験談を読むと、「年収が100万円上がった!」とか「年収が1.5倍になった!」とか書いてあるものを見かけます。
羨ましい話ですよね~!
これこそ転職の成功例ですよ!!
でもちょっと待って下さい。そこで思考を停止せずによく考えてみましょう。本当にこれって転職が成功した事例なんでしょうか?
簡単に鵜呑みにしてはいけないかも知れませんよ。
年収が上がれば転職は成功なのか?
転職の体験談で成功事例として書かれているものは、やっぱり給料が上がった事例です。給料というものが分かりやすい指標ですからね。
私も給料が上がる転職は成功だと思います。
ただ、そこに書いてある金額だけを羨ましがってもダメなんですよ。
労働条件はどうなのか。
転職に求めるものは人それぞれです。給料が上がることが目的じゃない人もいるはずです。そんな人でも給料が上がったら嬉しいですよね。
体験談1:転職したら、年収が1.5倍になった!
転職して年収が1.5倍になったという成功体験談は確かに羨ましいですが、その部分だけを見ても意味はありません。
労働時間は前職の2倍になってるのだとしたら、相対的には給料が下がっていることになります。
転職先のどういう環境で年収が増えたのかが分からない限り、単純に羨ましい話かどうかは分からないのです。
生涯賃金はどうなのか?
生涯賃金とは一生のうちで貰える給料、ボーナス、手当などの合計です。退職金は除いて考えることが多いですね。
体験談2:前職の年収が300万円。転職して年収が400万円になった!
転職して労働時間が長くなったわけでもなく、ノルマが増えたようなこともない。単純に年収が上がった事例です。これは、年収が100万円も増えた羨ましい事例に間違いないですよね!
いや、ちょっと待って下さい。
非の打ち所がないほど、成功してるように見えますが、前職をそのまま勤めていたら、10年後の年収は800万円で、転職先では600万円かも知れません。
そうなると、生涯賃金は前職の方が良かったということもあり得るのです。
転職に求めるものとは。
以前のコラムで転職に求めるものは「お金」というような記事を書きました。目的が定まっていない場合ですけどね。
参考 特に理由は無いけど今の会社をどうしても辞めたい。次の会社に求めるべきものは給料です。
確かにお金は大事です。生活をする上でお金は絶対に必要なんですから。
しかし、転職の成功例を「給料が上がることだけ」と考えていると、もしかしたら目先の給料が高いだけで、労働条件が悪かったり、生涯賃金が大きく減ることもありえます。
給料が高いというのはとても魅力的で、大事な条件です。そして成功体験談に書くのに適した分かりやすい指標なのですが、本当に前職より高いかどうかは他人には分かりにくいものなのです。生涯賃金のことを考えだしたら、転職した本人にもよく分からないはずです。
ですので、給料は大事な条件ですが、それ以外に転職して良かったと思える目的を考えておくことが大事です。
・給料は多少上がった程度だが、土日に休めるから子どもと遊べるようになった。
・転勤がない会社に転職したから、家族と一緒に過ごすマイホームの計画ができる。
何でもいいんです。
単純に、「転職先の仕事の内容が楽しい」というだけでも素晴らしいことですよね。
こういう風に給料以外に転職して良かったと思えることがあるのは、実体験から言っても大事なことだと思います。
まとめ
第4回目のコラムは、「給料が上がった成功体験談だけに影響されて転職するな!」をお届けしました。
転職するからには、給料も上げたいですけど、それ以外の要素がないと、給料があんまり上がらなかったり、下がった場合にはモチベーションが維持できなくなりますよ。
「上手な転職をすれば、給料を上げられるのか?」という質問には「YES」と答えます。
間違いなく、転職は大きく給料を上げるタイミングになりますから。
そのあと、どれぐらい給料が上がるのか?ということには、会社の仕組みや本人の能力が関係してきますので、前と比べて絶対に高くなるという結論は出しにくいのです。
ですから、給料以外のモチベーションを持てる転職の目的を持ってることは、大きな強みになりますよ。