面接って受ける側にしてみると、何を聞かれるか分からないし、覚えたことをきちんと話すことができるかも不安ですし、妙に緊張するし、とにかく「嫌なもの」ですよね。
この面接ですが、面接をしている側はどう思っているのでしょうか。
はっきり言えば、面倒で嫌なものなんです。
私は面接官をやったこともたくさんありますので、面接官の立場から見た面接と、面接に受かるポイントを紹介したいと思います。
面接だけで相手のことは分からない。
採用試験には筆記試験や論文、実技試験など企業によって様々な種類があります。そんな中、多くの企業が採用試験に「面接」という方法を組み込んでいます。
本人と接することができる面接という機会を、会社は重要だと考えているのです。
大手企業では面接が複数回あることが珍しくありません。２回、３回で終わらない会社もたくさんあります。
人事や採用を担当している人であれば、慣れていますから、どのような質問をするべきか、相手の返答に対してどのように答えるべきかの経験値を持っています。
しかし、面接官は人事担当者が行うとは限りません。採用する部署の人間だったり、他部署の人間がすることもあります。当然、面接をするのが初めての人もたくさんいるのです。
そんな面接官たちは、面接という短い時間だけで、自分なりに合否を判定して、会社に提出することになります。
本音で言えば、「面接だけで優秀な人材かどうか分かるわけないじゃん。」と思ってる人は少なくないのです。
短い時間のやりとりで、相手のことを理解するなんて無理な話です。こんなことは、皆さんも分かってますよね。同じように面接官もそう思っているのです。
面接をする者とされる者。立場の違いはあれど、同じようなことを考えているという視点に立ってみることは大事ですよ。
面接が大事な理由とは。
それではなぜ面接をするのかというと、本人と接触できる貴重な機会だからです。志望動機を尋ねたり、入社して何をしたいと思っているかなどの質問をします。
どんなことを答えるのかも大事ですが、どんな風に答えるのか、どんな表情で、どんな声で伝えるのか、これらの全てが大事な情報です。
働くということは、コミュニケーション能力が不可欠です。面接でその人がどんなことを答えるのか、どんな風に話すのかという情報は、面接官にとっては一緒に働いたときにどんな風に会話ができるのか、取引先でどんな風に話すのかを連想できることになります。
面接とは、”話す内容”が全てではないのです。
試験を受ける側は、志望動機や質問に対する答えなど、話す内容を熟考して面接に臨みます。もちろん、それは大切なことです。
ですが、面接で見られているところは、答える内容以上に、「どのように答えるか？」というところを見られています。話し方や表情や姿勢や声など、外見的な部分を多分に見られているのです。
面接で大事なものはインパクト。
さて、面接官が一通り質問をして、面接が終了したとします。面接官は何を基準に合否を判定するのでしょうか？
会社によっては、基準を設けていることもあるかも知れません。でも多くの場合、面接官の裁量で合否を決めて行きます。
つまり面接官の人数だけ合否の基準があるのです。
そして、多くのケースで「イメージ」「雰囲気」「何となく」といった印象だけで合否を決めています。面接官が自分の価値観で、会社に合うと思ったかどうか、良い人材と思ったかどうかという判断をしているのです。
自分が面接をするときもそうですが、「何の印象も無かった人」は合格の対象になりません。
印象が無かった人は、判断する選択肢にすら入らないのです。
そういう意味で、面接を受ける側は何かしらのインパクトを与えないと、選択肢にすら入らないことになります。
・活発で元気な受け答え
・即戦力を感じさせるアピール
・地元が一緒
・趣味が同じ
・気に入られるルックス
いくつかの事例を書いてみましたが、最初の２つ以外は面接官と偶然の一致が合った場合や好みの問題ですね。
簡単にできるのは、とにかく元気な受け答え。大きな声で挨拶して、大きな声で返事する。分からない質問には分からないとはっきり言う。
元気な声って間違いなく印象に残りますよ。
必ず気に入られる訳ではないですが、嫌われる印象になることも少ないテクニックです。
面接を１０人したとします。他の９人と比較して、１人だけすごく元気な人材がいたとしたら、間違いなく印象に残ります。実際にそういう人が合格した事例もたくさん見てきました。
それぐらい、印象に残るということが大事な要素なんです。
まとめ
このコラムで言いたいことをまとめてみました。
面接とは面接官にとって面倒なものである。多くの場合、面接のプロが面接をしているわけではないので、「この面接官も嫌々面接をしてるんだろうな。」と相手を思いやるぐらいの余裕を持って面接に臨みましょう。
面接では答える内容の素晴らしさが最重要ではない。話し方や声のトーン、姿勢や見た目などの外見的要素がすごく大事。ボサボサ頭の汚い服装ではダメです。面接では面接官と丁寧に会話をするように話してみましょう。
面接官が合格にする基準は人それぞれ。だからこそ印象に残っていないと、受かるかどうかの選択肢にも入りません。面接では一つだけでもインパクトを与えることを実行しましょう。一番簡単な方法は「元気な受け答え」です。これだけでも差がつきますよ。
面接に必ず合格できる方法なんていうものはありません。でも大事なポイントはあります。
面接のポイントやテクニックは別記事でも紹介しますので、それも参考にして頂きたいと思います。